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皆さん、こんにちは!マツリカの佐藤です。フェスティバルライフを謳歌していますか?

今回は祭り化するための条件その5

リスクある環境に身を置いていること

という内容です。

まずは私がどういう意味で「リスク」という言葉を用いているのかを説明します。一般的にリスクというと「危険性」をイメージする方が多いのではないかと思います。そのような意味も含まれていると思います。

今回は「不確実性」という意味で用いています。経済学上で使われるリスクに近いと思います。

仮に危険な状況でも、それが100%起こることであれば、その時点でその事象に関する不確実性は低い(=危険だからリスクが高いのではなく、確実に起こるのでリスクは低い)、ということです。言い換えると、この条件は「危険な環境に身を置くと祭り化する」のではなく、

「不確実な状況に身を置くほど祭り化する」

ということです。

私がこのように考えるようになったのは、前職時代に社長(現会長)から「伝説の求人広告」の話を聞いたことがきっかけでした。

『求む男子。至難の旅。

僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証無し。

ただし、成功の暁には名誉と称賛を得る。』

By アーネスト・シャクルトン
(南極探検隊員の求人広告)

1900年代初頭、探検家アーネスト・シャクルトンが南極探検隊の隊員を募集する為に、新聞の片隅に掲載した求人広告です。このわずか3行の広告に5000名以上の募集があったそうです。

この広告は「人は待遇や報酬の為だけに動くのではない」ということを端的に証明しています。要するに人間は完全合理的な存在ではないということです。

私の前職は限定合理的な感情人として人間を捉えることで「モチベーション」という存在に目を向け、その領域を突き詰めて事業化していったのですが、私もこの点に非常に興味を持ちました。

この広告で考えた場合、人を突き動かしたのは何なのか。

使命感、志、仕事そのものの意義、やりがい、誇り…どれも正しいと思います。

私は「未知への挑戦」というのが大きなポイントだったのではないかと思っています。前人未到の挑戦。誰も成し遂げてないことだからこそ、どうなるかは分からない。その不確実性に人は惹かれたのではないでしょうか。

仮にこのプロジェクトが絶対に成功するものだったとしたら、ここまで人を集めることは無かったかもしれないと考えています。

どんなに素晴らしい結果でも、

最初から結果が見えているものに人は祭り化しない

のではないでしょうか?絶対に成功するプロジェクト、絶対に儲かるギャンブル、絶対に受注する案件…、利益だけを考えるとこんなに素晴らしいことはありませんが、これはとてもつまらないことです。

私も絶対に儲かるギャンブルがあれば、おそらくやるとは思いますが(笑)、「作業」している感じになるのではないかと思います。如何に効率よくやるかは考えるかもしれませんが、夢中になったり、没頭したりすることはないということです。どうなるか分からないからこそ、ギャンブルはヒリつくのです。

世の中に絶対はありませんので、上記のような事態に遭遇することはないと思いますが、それに近い状況はあります。慣れた仕事をやり続けること、得意領域から出ないこと、安定した環境に身を置き続けること…等です。

これがダメだと言っているのではありません。心落ち着く環境で安定した仕事を行うことは大事ですし、全体最適で考えた場合、得意なことを集中してやってもらうことも効果的だと思います。

私が伝えたいのは、祭り化するためには、時に不確実な環境に身を置くこと、つまり自分にとって未知な領域に身を置くことが必要だということです。リスクを取って挑戦することが必要だということです。これは過去のコラムに記載した「コンフォートゾーンからの脱却」にも繋がる内容ですね。

営業で考えた場合、安定的に成果を出し続ける為には「目標は出来る限り低いほうがよい」と考える人もいるかと思いますが、敢えてストレッチした目標を掲げるのもよいかもしれません。自分にプレッシャーは掛かると思いますが、成し遂げた際に得られるものは大きいと思います。

またこれまで取引が実現できなかった大口顧客にコミットしてアタックするのも良いかもしれません。数字目標以外に、新商品開発やメンバー育成など別な観点での目標を掲げるのもよいと思います。

営業は自分次第でいくらでもリスクを取って挑戦できます。逆にうまくやって何となく毎日を過ごすことも可能です。皆さんがどちらを選ぶか、です。

祭り化した営業を目指すなら、是非、リスクある環境に自らを置いてみてください。自分にとって未知なるものに挑戦してみてください。

ただし注意が必要です。無謀なことを掲げればよいというものではありません。達成可能性があまりに低いと人は逆にモチベーションは下がります。今回に合わせて言うなら、絶対に失敗するようなことも不確実性は低いからです。

また挑戦するというのは、必ず成し遂げる為に最善を尽くすことだと思います。「とりあえずやってみた」というのは挑戦ではないと思います。

自分自身を敢えてリスクある環境に身を置き、その中で精一杯新たな挑戦に取り組むこと、そのプロセスは祭り化する営業に近づくプロセスでもある

と考えています。

投稿者プロフィール

Mazrica Business Lab.編集部
Mazrica Business Lab.編集部
Mazrica Business Lab.はクラウドアプリケーションMazricaの開発・提供を展開する株式会社マツリカが運営するオウンドメディアです。営業・マーケティングに関するノウハウを中心に、ビジネスに関するお役立ち情報を発信しています。

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